なぜ緊張したり、あがったりするのか
特に内臓に悪いところもないのに、心臓がバクバクいったり、冷や汗をかいたりといった経験はないでしょうか。考えてみれば、「あがり」とは不思議な現象ですね。それにしてもいったい何が原因で、こんな症状が起こるのでしょうか。
「あがり」は血液中のノルアドレナリン値が上昇して起こります。これは覚醒や興奮に関係している神経伝達物質で、脳の青班核というところにあるノルアドレナリン神経から分泌されます。
このノルアドレナリンは緊張や不安を感じたときに活発に分泌され、自律神経の交感神経を活性化します。そして、交感神経が刺激されると心拍数や体温、血圧が急上昇するため、動悸や発汗、震えなどの症状が起こります。
つまり、あがり症の人は、交感神経が人より敏感で、このような反応が少々強く出すぎてしまうのでしょう。ではこうしたあがり症は、いったい病気なのでしょうか。実はあがりは誰にでも起こる正常反応なんです。